保険診療
当院で行っている診療は、健康保険の対象とならない一部の手術(*)と既成品のサポーターの販売を除いて、保険診療となります。
診療の予約は、診療受付時間内に 下記 までお電話下さい。
電話番号 011-621-4263
診療受付時間 月曜〜土曜(祝日を除く) 9:00〜17:30
*健康保険の支給対象とならない手術
診 察
◯ 診察は予約制です。受診当日の予約も承っております。
◯ 初診の患者様の予約も行っておりますので、保険証をご用意の上、お電話下さい。
◯ 予約外の診療も行いますが、診察の順番は予約された方が優先となり、待ち時間が長くなる場合がありますことをご了承下さい。
◯ 午前中は手術を行なっており、基本的には診察の予約をお取りできません。午前中の診察をご希望の方はお電話にてお問い合わせ下さいませ。
- 受付時間 9:00〜17:30(新患受付は17:00まで)
- 診察時間 13 : 30〜18:00(注:火曜日は午前中も予約診察可能です。)
手 術
◯ 局部麻酔あるいは局所麻酔下の手術を行っています。
◯ 手術には事前の診察と予約が必要です。
◯ 当院では緊急手術は行っておりませんので、外傷への対応の可否につきましては電話でお問い合わせください。
- 月・水・木・金・土曜日の午前中(火曜日は、午後の手術が可能です。)
- 過去の手術件数はこちら
リハビリテーション
◯ 専任の作業療法士による専門的なハンド・セラピィを行っています。
◯ 運動器リハビリテーション施設基準2に適合しています。
◯ 紹介状をお持ちいただけば、他院での術後のリハビリも行います。
◯ リハビリのみの診療は行っておりません。受診毎に診察が必要です。
- 実施時間 13:30〜18:00
レントゲン撮影
◯ 骨の病変を発見・評価するための検査です。
◯ 常勤の放射線技師による撮影を行なっています。
神経伝導速度検査
◯ 末梢神経の機能を評価するための検査です。
◯ 末梢神経障害の診断・重症度判定ならびに回復の評価に必須の検査です。
CT / MRI
◯ CTならびにMRI検査は当ビル1階のセントラルCIクリニックに依頼し、放射線科医による専門的な診断を得ています。
さらに詳しく
医療用ルーペ
手術による生体組織への侵襲は、傷の治りはもちろんのこと、術後の機能の回復にも大きな影響を与えます。皮膚線に沿った必要最小限の皮膚切開と組織への侵襲を可能な限り抑えた手術手技は、良好な成績を生むことに直結します。それを可能としているのが、医療用の高倍率ルーペです。手外科医の多くは、このようなルーペを装着して手術を行なっています。このことははまた外科医の加齢に伴う視力の衰えをカバーすることにも役立ち、手外科医の現役寿命を長くすることにも貢献しています。
(前列の2つは院長が使用しているもの、後列の2つは院長の父が使用していたものです。)
高精細デジタルX線イメージ
整形外科領域の手術において、骨を扱う際に必要なのがX線イメージです。当院では米ホロジック社製のフルオロスキャンを用いることにより、一般整形外科で用いる巨大なCアームでは見ることが困難な指骨の関節内骨折においても良好な整復操作を行うことを可能としています。
当院の手術実績
手術の種類 | 手術名 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 小計 | 合計 |
骨・関節手術 | 骨折の整復固定術 | 27 | 32 | 66 | 72 | 53 | 60 | 37 | 40 | 33 | 29 | 36 | 40 | 525 | 1381 |
変形治癒骨折矯正手術 | 0 | 0 | 5 | 2 | 5 | 3 | 4 | 1 | 3 | 1 | 3 | 6 | 33 | ||
偽関節手術 | 0 | 1 | 1 | 4 | 1 | 2 | 2 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 18 | ||
骨長調整手術 | 0 | 1 | 6 | 1 | 2 | 3 | 1 | 1 | 4 | 1 | 1 | 1 | 22 | ||
関節形成術 | 0 | 0 | 2 | 5 | 12 | 6 | 1 | 4 | 2 | 0 | 1 | 7 | 40 | ||
人工関節置換術 | 0 | 3 | 5 | 8 | 8 | 12 | 8 | 13 | 10 | 7 | 11 | 14 | 99 | ||
関節固定術 | 3 | 35 | 31 | 28 | 30 | 73 | 44 | 44 | 35 | 38 | 24 | 30 | 414 | ||
靱帯縫合術 | 2 | 9 | 10 | 6 | 5 | 6 | 2 | 3 | 7 | 4 | 5 | 6 | 65 | ||
靱帯再建術 | 0 | 1 | 7 | 12 | 21 | 19 | 9 | 10 | 1 | 1 | 2 | 3 | 86 | ||
観血的関節授動術 | 2 | 4 | 10 | 5 | 3 | 12 | 5 | 13 | 4 | 9 | 5 | 6 | 78 | ||
神経手術 | 手根管症候群の手術 | 11 | 60 | 61 | 37 | 56 | 64 | 56 | 55 | 50 | 44 | 62 | 46 | 598 | 691 |
肘部管症候群の手術 | 8 | 5 | 5 | 1 | 5 | 3 | 7 | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 49 | ||
特発性麻痺に対する手術 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 7 | ||
外傷性神経損傷の手術 | 0 | 1 | 3 | 2 | 5 | 2 | 2 | 4 | 5 | 3 | 4 | 2 | 33 | ||
人工神経移植術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 3 | ||
腱手術 | 腱縫合術 | 1 | 7 | 5 | 2 | 1 | 6 | 11 | 2 | 3 | 3 | 1 | 3 | 45 | 2027 |
腱移植術・腱移行術 | 2 | 1 | 2 | 4 | 6 | 4 | 5 | 6 | 6 | 2 | 3 | 3 | 44 | ||
腱剥離術 | 1 | 0 | 4 | 10 | 3 | 7 | 7 | 8 | 8 | 3 | 2 | 6 | 59 | ||
腱鞘切開術 | 20 | 132 | 151 | 140 | 183 | 209 | 215 | 181 | 190 | 176 | 125 | 138 | 1849 | ||
伸筋腱脱臼整復術 | 0 | 0 | 4 | 1 | 1 | 5 | 2 | 1 | 0 | 3 | 1 | 1 | 19 | ||
腫瘍手術 | 骨腫瘍切除術 | 0 | 2 | 1 | 1 | 5 | 3 | 2 | 5 | 2 | 2 | 1 | 0 | 24 | 1245 |
軟部腫瘍切除術 | 8 | 26 | 38 | 29 | 44 | 32 | 38 | 22 | 25 | 19 | 21 | 18 | 320 | ||
ガングリオン切除術 | 13 | 53 | 79 | 77 | 103 | 90 | 101 | 92 | 81 | 65 | 44 | 56 | 854 | ||
デュピュイトレン拘縮手術 | 0 | 2 | 2 | 10 | 10 | 7 | 4 | 3 | 3 | 1 | 0 | 5 | 47 | ||
その他 | 28 | 46 | -16 | 11 | 3 | -14 | 1 | -4 | 21 | -10 | 3 | 18 | 87 | 87 | |
総手術件数 | 126 | 421 | 483 | 468 | 565 | 615 | 565 | 510 | 498 | 407 | 359 | 414 | 5431 |
- 2012年7月の開院以降の手術件数を示します。このため、同時に複数指に対して同じ手術を行った場合も1件として集計されています。
- 骨折の整復固定術には、経皮的鋼線刺入法も含まれます。
- 変形治癒骨折矯正手術は、橈骨遠位端・中手骨・指骨骨折後と、指の靱帯断裂後の変形に対して行われています。
- 靱帯縫合術は、指の靱帯断裂とTFCC損傷(橈尺靭帯断裂)に対して行われています。
- 靱帯再建術は、指の靱帯断裂・橈尺靭帯断裂のほか、母指CM関節症に対して行われています。
- 手根管症候群の手術には、手根管開放術と正中神経剥離術が含まれます。
- 軟部腫瘍切除術には、滑膜性巨細胞腫・神経鞘腫・神経線維腫・血管平滑筋腫・脂肪腫・グロームス腫瘍・血管腫・線維腫の摘出術が含まれます。
- 骨腫瘍切除術には、内軟骨腫と外骨腫の切除術ならびに関節鼠摘出術が含まれます。
- その他には、抜釘術、創傷処理などが含まれます。複数の異なる手技を同時に行った件数が多い場合にはマイナス値となります。
保険診療の適応とならない手術の実施について
医学的に有効であることが世界的に認識されているにも関わらず、日本の皆保険制度下には保険適応とならない下記の手術を、患者様と相談の上、保険外診療として行っています。
<特発性手根管症候群に対する正中神経剥離術>
手根管症候群の手術には、神経の助圧のための手根管開放術(鏡視下手術を含む)、神経の絞扼を除去するための正中神経剥離術と母指の対立機能を再建するための対立再建術があります。
従来、更年期に多い”麻痺を伴わない軽症〜中等症の手根管症候群”には手根管開放術、ご高齢の患者様に多い”高度の感覚障害を伴う重症の手根管症候群”には正中神経剥離術、母指球筋の萎縮があり巧緻運動障害が高度な患者様には母指対立再建術が行われてきました。
しかし保険者(国民健康保険・社会保険)は2020年以降、手根管症候群を有する全ての患者様に、『とりあえず手根管開放術を行って様子をみる』ことを要求するようになりました。つまり、手根管開放術後の長期的な経過観察を行なって回復が見られない場合のみに神経剥離術を行わなければならないと決定したのです。
しかしながら、手根管開放術は手根管症候群を有する患者様の約20%には無効であることが研究により示されています。また、すでに高度の感覚麻痺を有する患者様は症状が改善しないばかりか、時間経過によりさらに重症化して治りにくくなります。加えて、2回目の手術は、術後の正中神経の癒着により、より危険となります。
アルゼンチンの高名な手外科医であるDr.ザンコリは、2018年のヨーロッパ手外科学会(アムステルダム)において行われた招待講演の中で『麻痺を伴う重症手根管症候群の治療には正中神経剥離術が必要である』とはっきりと述べておられるのです。
そこで、当院では、神経伝導速度検査ならびに精密知覚検査に高度の機能障害の存在が確認され、神経剥離術を行った方が良いと判断される患者様には保険外診療として正中神経剥離術をおすすめしております(注:手根管解放術後の再手術による正中神経剥離術は保険適用となります)。
なお、日本の皆保険制度において混合診療が認められていないため、これに係る一連の治療(麻酔・投薬・創処置)は、すべて自己負担となります。